（金剛山頂へ向かう小道）
平成18年1月15日（番外編） 金剛山耐寒登山(大阪府）
（金剛山頂へ向かう小道）
○ プロローグ
正月最初のツーリング打合せの為Ｔ宅を訪問したのは１週間前。
そこで議題になったのが、暖かくなる3月までの活動についてだ。
すぐにでもツーリングに行きたいのはやまやまではあったが、年末からの大寒波で、2人ともすっか意気消沈。 Ｔはチャリンコツーリングを再びやりたかったようだが、私の方がいまいち気乗りせず。新年明けの企画は暗礁に乗り上げたかと思われた・・・が企画部長Ｔから思いがけない提案が。
「金剛山に登らんか？」
「？？ この寒い中、なんで好んでそんな寒い所にいかなあかんねん・・・！！」 と私が即答。
「８合目までロープウェイで登る事ができるし、この時期ならばアイゼンをつけて雪道を歩けて、うまくゆけば樹氷も見れるかもしれん。」
「ただ寒い寒いと言っていたのではつまらん。 合同ツーリングに向けて金剛山に登って心身共に鍛えようやないか！」
「・・・・・」
長年の付き合い。Ｔは私が興味を惹くツボをよく知っている。 追い討ちをかけるように、Ｔは山のような雑誌が並んだ書庫から、金剛山耐寒登山の記事が載った雑誌を持ってきた。
「・・・確かにＴの言うとおり、寒いからと言って動かないのも勿体無い。 バイクの企画ではないが、合同ツーリングに向けて新年一発目に金剛山に登るのも悪くはないかな・・・」実は大阪に戻ってきてから、金剛山には一度登ってみたいとも思っていた。
ＲＹＵＢＥ大阪新年１回目のイベントは、こうして金剛耐寒登山に決定した。
○ ロープウェイで別世界へ
ロープウェイの始発が9時。 アイゼン等の装備も若干あったので、今回は無理をせず駐車場まではＴの車で行く事になった。
朝7時半にＴが我が家に迎えに来てくれた。いつものＲＹＵＢＥのツーリングは日の出前が原則なので、今回は随分ゆっくりの出発だ。 奈良東南部方面に走りに行く時によく使う309号線を南下する。
千早赤阪村に入り、農道を通り、金剛山方面に折れる。楠木正成が籠城をした千早城の近くを通って、ロープウェイ乗り場下の村営駐車場には8時15分に到着した。 ・・・車はほとんど止まっていない。 こんな寒い時に登ろうとする人間がそんなにいるのだろうか？ しかし、Ｔの話だと冬でも車が多くて、交通規制がかかる事も多いそうだ。
ロープウェイの始発まで、古びた待合室でボーっと待つ。 木のベンチに腰掛けて、大きな石油ヒーターを眺めていると、ここが大阪とは思えなくなる。 長野のスキー場あたりの山小屋の感覚だ。 15分程前になると、人も結構増えてきた。
9時丁度、ロープウェイが出発。 標高差２５０ｍ程、所要時間は6分。これくらいなら歩いても余裕かな・・・と思いながら、すぐに山頂駅に到着。 周りの人間は常連客ばかりなのだろう。手際良くアイゼンをつけてさっさと上がっていってしまい、出発は我々が最後になった。
○ 雪道を山頂目指して
「アイゼンなんてほんまにいるんかいな？」
そう上に登るまでは思っていたが、歩き出してすぐに納得。 森の中を抜けていく小道は日陰になっていて、その部分だけ雪が残っていてしかも凍結している。 アイゼンは初めて使ったが全然安定感が違った（ちなみにアイゼンはＴから借りた）。
サクサクと歩いていくうちに体もポカポカしてきた。 森と雪が音を吸収するのかとても静かで遠く先を行く人達の話し声位しか聞こえてこない。 空気もきれいでモヤの中そびえ立つ木々が幻想的だった。 大して苦労もせず、ハイキングのような感覚で1時間で山頂に到着。
（金剛山山頂付近。ガスが掛かっていて視界は悪かった。）
○ 山頂でのコーヒー
山頂には寺と神社があるのだが、寺の境内は結構広い。 山頂登山回数記録を記した看板を発見。1000回などは序の口。 最高記録は1万回を超えていた。 う〜ん。毎日登っても30年はかかるぞ・・・。
（山頂展望台で記念撮影。 本当の山頂はここから１０分程の神社）
山頂広場に到着。本当の山頂はここからさらに10分程登った神社らしいのだが、展望が開けている為に、登山客は皆ここで記念写真を撮って、おもいおもいに休憩している。生憎ガスが掛かっていて下界の景色は見る事ができなかったが、そのお陰で樹氷の卵は見る事ができた。
おもむろにＴがリュックサックの中からポットとステンレス製のマグカップを２つ取り出した。 挽いたコーヒーの豆をビニールに袋詰めして持ってきている。 山頂でレギュラーコーヒーを飲もう、という事。 −4度の山頂で飲むコーヒーはとても美味しかった。
20分程ゆっくりした後、出発。 お寺と神社をお参り。
今年1年の家族の健康と幸せ、そしてＲＹＵＢＥの1年間の無事と成功を祈念してきた。
ロープウェイ駅までは往路とは別の道を使う。 カチカチに凍った道では、アイゼンをつけていない登山客はすり足で降りていっている。 アイゼンを履く我々も慎重に降りていった。ロープウェイ駅には11時過ぎに到着。 2時間程の別世界は結構新鮮で気持ちの良いものだった。
（山頂付近の参拝道）
○ 蕎麦を食しながら、今年を展望する
下界に下りて、駐車場から車で5分程のログハウスの喫茶店、”ウッディ・ハート”で昼食。 Ｔお勧めの蕎麦定食を食べる。 この喫茶店、暖炉があってとても良い雰囲気。 食後にコーヒーを飲みながら、そういえば最近こうしてゆっくりくつろぐ時間が無かったなあ、と振り返る。
ＲＹＵＢＥ大阪の活動も、去年は”遠くへ”というテーマで、純粋に距離を走る事に主眼をおいてきた。 今年はもう少しゆったりとした気持ちで、肩肘張らずにバイクとツーリングを主体としながらも、それにプラスαの楽しみも味わう余裕を持って活動していければなあ、と考えた。
我が家には1時半に到着。 朝もゆっくりの半日イベントではあったが、心身共にリフレッシュする事ができた。 さて、2月にはバイクでのツーリングに行けるかな？？
（担当 ： ミミオ）
